下痢と下痢止めのはなし:下痢の分類と原因および薬剤など

下痢の分類と原因および薬剤など
分類とメカニズム原因薬剤・処置
浸透圧性下痢

●メカニズム
腸内の浸透圧が上がり、腸管内に水分がたまり下痢となる。
摂取物が原因。

①食べたものが消化酵素不足で消化できないとき(乳糖不耐性・アルコール)

  • 乳糖分解酵素剤
  • 消化酵素剤
  • 下痢止剤

②吸収されない物質を摂ったとき(マグネシウム・ソルビトール(低カロリー砂糖代用品))

  • マグネシウム剤など中止する

③食べもので、非電解の流れが遅いとき(グルコース・エタノール・グリセリンなど)

  • 全般的には食べものを中止するか、体外に出るのを待つ
分泌性下痢

●メカニズム
腸内の炎症や毒素・薬物、ホルモンの刺激により腸管粘膜から浸出液が多く出て下痢となる

①細菌やウイルスによる感染性腸炎

  • 抗菌剤・抗生物質

②非感染性腸粘膜障害によるもの(単純性・アレルギー性胃腸炎・潰瘍性大腸炎・クローン病・大腸癌・虚血性腸炎・抗生物質ほか)

  • 下痢止剤・消化酵素剤・粘膜マヒ剤など
  • 精密検査

③毒素産生菌感染(コレラ・大腸菌)

  • 下痢を促進させる
  • 脱水症状に注意

④脂肪酸によるもの

  • 下痢止・抗生物質・消化酵素剤
単純性下痢

●メカニズム
急性下痢

①暴飲暴食・冷え・不消化物摂取

乳酸菌製剤・消化酵素剤・粘膜マヒ剤

脂肪性下痢

●メカニズム
いわゆる脂肪吸収不良による

①慢性膵炎など

②小腸吸収不良

消化酵素剤・下痢止

腸管運動亢進型下痢

●メカニズム
腸管運動が亢進し、食べたものの吸収が間に合わず下痢になる

①過敏性腸症候群

②甲状腺機能亢進

③腸切除術後

下痢止・乳酸菌製剤

腸管運動低下型下痢

●メカニズム
腸管運動が低下して腸内細菌が増加したり、脂肪吸収が遅れたり、腸液分泌が増加する

①糖尿病

②甲状腺機能低下

③腸の狭窄、憩室

  • 下痢止
  • 抗生物質
  • 抗菌剤

(参考文献:薬物療法の実際 第3版 山村雄一 織田敏次 五島雄一郎 清水喜八郎)